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Neco の 陽なたぼっこ

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2009年 01月 24日

『アリス=紗良・オット&オーケストラ・アンサンブル金沢』

昨日、相棒が応募に出していたコンサートに行った。
生憎、チケットは当たらなかったものの、優待券
が手に入り、ふたりで出掛けた。
『アリス=紗良・オット&オーケストラ・アンサンブル金沢』
指揮:井上道義 
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厚生年金前を歩いていると、「おばちゃ〜ん」と声が..。
一体誰じゃ〜?私を「おばちゃん」なぞと呼ぶ輩は..と振り向けば、
そこには、屈託なく笑う、姪の姿があった。
彼女は隣のアステールでのコンサートに向かう所だったという。

足早にホールに入り一段落していると、ホワイエにてサロンコンサート
が始まった。
9名でのウエルカム演奏である。

昔、昔、バロック音楽の全盛期は、音楽は、サロンコンサートで
聴くものだったという。
音楽が市民階級の手の届くところとなり、コンサートホールが歴史に
登場するのは、モーツァルトの時代以降のようだ。
バロック時代の音楽は、宗教音楽はもちろん教会で、そして世俗(非宗教)音楽
は主に貴族の宮廷のサロンで演奏されるものだったという。

だから、勿論、何千人も収容するこんな巨大ホールでそもそも
聴くなんて、愚の骨頂である。
目の前で繰り広げられる演奏。いつも遠くの存在がこんなに近くに
感じられ、私は斜め後ろにいたもんだから、譜面まで見れる。

粋な計らいに、もうすっかり堪能した気分になってしまった。

いよいよ本番の方は、ニューイヤー・ベートーベンと称した催しで、
「エグモント」序曲・ピアノ協奏曲第5番「皇帝」・交響曲第7番
であった。
指揮者の井上道義さんは、昨年私たちの住む地元のライブハウスにて
小曽根真さんのコンサートがあった時、最後列の隅に座っておられ、
びっくりした経緯がある。
素敵な方で、いつかこの人の指揮を見てみたいと思っていた。

長身の姿でいきなり全身を乗り出して指揮される姿はなかなか
見応えのあるものである。
40名の室内オケで、外国人の姿が多いのにはびっくりした。

ピアニストのアリス=紗良・オットが舞台に出られた。
ベージュ色の光沢のあるカラードレスに身を包む彼女は、
思わず声が出てしまう程美しかった。

相棒の一声「細い〜!」

アンコールにはリストのラ・カンパネラ。
超絶技巧をまるで、天使の羽で触るが如く音を奏でる。
(まるで、何処かの○○のような表現?)
どうも、この広島公演が最後だったようで、クラシックには
珍しく彼女自身が感謝の思いを伝え、アンコールを2曲も
披露してくれた。

ちなみに、彼女は20歳。今まだ、学生の身である。
オケの後ろに座る女性が目頭をハンカチで押えておられるシーンに
私は釘付けになった。
何度も何度も深々と彼女はオケのメンバーにお辞儀された。

最後の7番は、「のだめ」の時によくかかっていた曲である。
今まではなかなか聴く機会のなかった7番が、最近ドラマに
なってからよく聴く。
よく観察してみると、井上さんの指揮はTVでのその指揮者の振り方に
似ている気がした。
もしかしたら、井上さんを研究していたのかしらと思う程であった。
指揮者の手が、オケの奏でる音を引き出してゆく。
音が様々な光りの帯になって絡んでゆく。そんな気がした。

長いタキシードが揺れる度に、紫色の裏地が見え隠れする。
楽しい〜!

アンコールの際、「20歳の彼女はかなりエモーションになって
いたので、アンコール演奏したけど、私は、いつもこのメンバーと
やっているので、アンコール無し! という訳にはいかないか..」
なんて、冗談を言って始まったのが、
「篤姫」のテーマ曲だった。
そのTVのままの音に、何だか感動。ここで、この人がこの音を
奏でていたのね〜。珍しく見ていた番組だっただけに思いが募る。
初めて聞いた相棒も、「いい曲だね〜!」と..。
このオケが演奏していた事を初めてしった。

最後のフィニッシュは、井上さんの舞台の上でのスピンターン。
どこまで楽しませてくれるのだろう〜♪

帰りの車で娘を拾い、「細かったよ〜」というと、
「彼女は、人間じゃあないもん!」といとも簡単に片付けられた。

「じゃあ、宇宙人とでもいいたいの?」と言いたい言葉を飲み込んだが、
さてさて、そういえば、そんな気も...?

クラシックは、どこまでも「新しい」。。

by necocafe | 2009-01-24 13:53 | 素敵な音楽♪


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