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Neco の 陽なたぼっこ

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2007年 07月 29日

フランス・オーヴェルニュへの旅 (新しい出発)  その4

10月9日
翌朝、私達は始めて部屋で朝食を取った。
バスケット籠にアラジンの魔法瓶とパンと果物。
窓際のカフェテーブルにテーブルクロスを敷き、別々の魔法瓶に入ったコーヒーと
紅茶がバスケット籠に並べられている。
昨夜のディナーに比べると随分質素ではあったが、まだお腹が一杯な我々にとって
はこの位が丁度いい量である。
目一杯のスケジュールをたてての旅行。早々にチェックアウトした。

友人から頼まれたミッシェルブラスのオリジナルカトラリーを買い、包装してもらった。
ところがあまりにも重い為に、送ってもらうようにお願いすると、なんとナイフの刃渡り
が長くて国外に持ち出す事は無理だという。
トランクに詰めて持って帰る事はできるという。
これからの旅を思い、友人には悪いが断念した。
素晴らしいデザインのカトラリーである。値段もなかなかなもので、一本が1万円近
くする代物である。まあ、我々には縁のない話しだけどね。

記念にお世話になった方に1本、そのラギョールでも一番有名なLの印のあるソムリ
エナイフを買った。
我々はその町の外れに、いきなりモダンな建物を見つけた。
デザインを見ただけで、その建物はフィリップ・スタルクの設計である事がわかる。
その建物は、先程のLの印のマークのナイフを作っている会社のものだった。
その町を通り抜けた途端、目の前に今までとは打って変わった田舎の田園風景が見
えてきた。

古い石造りの牛小屋が 当時のままの姿で佇んでいる。車を脇に置いて、写真を撮った。
数年後、フランスの写真集に同じアングルで撮った写真を見つけた。
ここまで完璧な状態でのアングルはそうそうあるものではない。
フランス・オーヴェルニュへの旅 (新しい出発)  その4_b0076008_11445439.jpg

私達はコンクに向かった。ここは巡礼地ではとても有名な場所のようだ。
ただ、ここまで来るのはなかなか容易ではない。コンクの近くの並木の道で、カナダ
の旗を掲げた自転車での巡礼者に出くわせた。
明るい声で挨拶し合う。山道を上がりきった所に石造りの小さな集落があった。
どうもここがコンクのようだ。
その集落の中心にロマネスク様式のサント・フォア聖堂があり、ここのタンパンは有
名である。
天国と地獄を表しているという。
確かにひとめ見ただけでも描かれている描写でその差が解る。世界遺産のプレート
があった。
フランス・オーヴェルニュへの旅 (新しい出発)  その4_b0076008_11472226.jpg

のんびりとした時間が流れてゆく。山の頂上にある巡礼地。どのアングルを撮っても
絵になる風景である。
フランス・オーヴェルニュへの旅 (新しい出発)  その4_b0076008_1148736.jpg

コンクからフィジャックを経て、N140、ロカマドールの道を走る。
ロカマドールに着いたのはまだ明るい3時を廻った頃だった。
段々今までの山道から開けた道になり、風景も変わってきた。
大きな駐車場には観光地らしく沢山の車が止っていた。
今まで殆ど観光客には出くわさなかったせいか、それとも先を急いでいたからなのか
解らないが、崖の上に建つ町並みをちょっと覗いただけで足早に過ぎ去った。
日差しが強く、私達は少し疲れてきていた。
フランス・オーヴェルニュへの旅 (新しい出発)  その4_b0076008_11485258.jpg

後で、この地を資料で調べ、もっとゆっくり見ればよかったと思ったのだが…。
その時はどうでもいい気がしたのだ。

その後に来る出来事を 予期していたのかもしれない。
少しでも早く次の場所へ移動したかったのだ。

地図では1〜2時間で簡単に着くと思った道が、思ったより時間がかかってしまい、
私達がカオールの町に着いた頃はもうしっかり暗くなった頃だった。
この時間からの宿屋探しは大変である。
ひっそりとした町の中で、唯一賑やかそうな「オーベルジュ」サインを見つけた。
宿屋だよね。急いで中に入るとどうも様子が違う。
レストランだけだと言う。 
フランス・オーヴェルニュへの旅 (新しい出発)  その4_b0076008_11455639.jpg

諦めて車を走らせる。旧市街を出た所で、快適そうなビジネスホテルを見つけ、
先程のレストランで夕食をとった。
ここカオールは赤ワインの有名な所で、深い赤のとてもしっかりとした味わいのする
ワインで乾杯した。

この日は、次の大切な日の為に、距離を走る旅だったのだと後で思った。

by necocafe | 2007-07-29 11:49


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