2009年 02月 08日
いつの頃だっただろう。 ある日、実家の父が、とても弱々しく感じた事があった。 私の記憶の中の父は、子供の頃から、とても厳しく、無口で、近寄りがたい 存在だった。 私は、長女で、念願の男の子が生まれなかったせいか、まるで男の子に接する かの如くに育てられた気がする。 山の様な親の期待をこと如く打ち砕いて、自由奔放に(本人はそうは思ってい ないけど..)育って今にいたる。 私の一番の親孝行は、出来のいい(?)孫を作った事だろう。と、 まるで私には見せた事のないような顔で、孫達を溺愛している父を見て そう思った。 仕事も退き、その孫達も手がかからなくなってしまい、今は田舎に帰り、 母と共に百姓をして暮らしている。 自慢だった車の運転は、しっかり「枯れ葉マーク」を貼るのを余儀なくされ、 あれだけしっかりしていた父が、とても小さく、頼りなく感じてきていた。 そんな父に、我がまま娘は、しっかり頼み事をしてしまった。 父は、早速、今度は何を考えているのか分からない娘の頼み事を 唯一の楽しみだったグランドゴルフも見向きもせずに、頑張ってくれている。 母は、御飯を作って待ってくれる。 『どう?うまくできた?』一緒に、父と鍬を持つ。 普段、近くにはいるものの、いつもとんぼ返りの娘がこの所、頻繁に出入りし、 泊まって帰る。 長い時間、畑にいると、次から次へと近所の人たちに出会う。 懐かしい人達だ。 『いつになっても娘は可愛いものらしいね〜』 近所の人が、急に生き生きと張り切っている父を見てひやかす。 こんな感覚、忘れてたな〜
by necocafe
| 2009-02-08 06:33
| Neco茶屋
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